雨ニ対ヒテ月ヲ恋フ

その時々の想い・考えを書きつづってみる

歴史散歩【京丹後⑥:遺跡めぐり】

丹後三大古墳のうちで最大の網野銚子山古墳[あみのちょうしやまこふん]は、全長201mで4世紀後半の古墳である。

墳丘は三段で構成され、斜面には葺石、平坦面や後円墳頂上部には約2000個の円筒埴輪が立てられていた。

網野銚子山古墳(後円墳と前方墳のあいだが低くなっている)

くびれから見ると方墳の前方に向かって上がっていることがわかる

網野銚子山古墳・模型(丹後古代の里資料館)

古墳に立てられた円筒埴輪は丹後特有のもので、穴の開いたお椀をひっくり返した形のものがついている。

丹後型円筒埴輪(丹後古代の里資料館)

網野銚子山古墳の構造上の特徴としては、奈良市山陵[みささぎ]町にある佐紀陵山古墳[さきみささぎやまこふん]と大きさ、形状ともに一致するという点である。佐紀陵山古墳は、丹後出身で垂仁天皇の皇后・日葉酢媛[ひばすひめ]の陵墓として治定[じじょう]されているものである。丹後と中央との強いつながりを考古学的にも推定しうる遺跡であると言える。

(佐紀陵山古墳→ Google マップ )

網野銚子山古墳と佐紀陵山古墳の比較図(丹後古代の里資料館)

参考:京丹後市立丹後古代の里資料館、2013、『丹後古代の里資料館展示ガイド 丹後王国の世界』。